警備の登竜門「新任教育」のすべて

教育

「警備員の仕事を始めてみたいけれど、いきなり現場に立たされたらどうしよう……」 「研修があるって聞いたけれど、テストで落ちたらクビになるの?」

新しい仕事を始めるとき、そんな不安を抱えるのは当然のことです。

結論から言うと、警備員は未経験のままいきなり現場に立たされることは絶対にありません。 なぜなら、法律によって「現場に出る前に、必ず国が定めた研修を受けさせなさい」と厳しく決まっているからです。

この「最初の研修」のことを、業界では「新任教育(しんにんきょういく)」と呼びます。

今回は、18歳から警備業界の現場を見てきたプロが、この新任教育の中身について、初心者にも分かりやすく噛み砕いて解説します!これを読めば、最初の研修に対する不安はゼロになりますよ。

そもそも「新任教育」ってなに?なぜやるの?

新任教育とは、警備員としてデビューするために「法律で義務づけられている必須の研修」です。

コンビニや飲食店などのアルバイトなら、初日からお店に行って「じゃあ、働きながら仕事を覚えようか!」となるのが普通ですよね。警察官であればまず警察学校に入り勉強します。しかし、警備員はそれができません。

警備員の仕事は、お客様の安全や、道路の交通安全を守ること。つまり、「何かあったときに、人の命や財産を守る特別な仕事」だからです。 そのため、たとえ1日だけの短期アルバイトであっても、この研修をクリアしないと1分も現場で働くことはできないルールになっています。

警備会社が行政処分される原因の一つがこの新任教育です。教育していないのに教育をしたと偽るケースが多く、最悪の場合、営業停止処分となります。

もし、新任教育なしで現場に配置された場合はすぐに警察へ相談し、即刻退職届を提出しましょう。法を遵守しない会社にいてもろくなことはありません。

研修って何時間やるの?お給料はもらえる?

まずは、誰もが気になる「期間」と「お金」のリアルな疑問にお答えします。

① 研修の時間は「合計20時間以上」

法律で「最低でも20時間以上」の研修を行うことが決められています。 多くの警備会社では、1日7〜8時間の研修を「3日間」に分けて行うスケジュールが一般的です。3日間、みっちり会社(または研修室)で勉強と練習をすることになります。

② 研修中も「お給料」は100%もらえます!

「まだ現場で働いていないのに、お金はもらえるの?」と心配になるかもしれませんが、安心してください。 新任教育の時間は「労働時間」として扱われるため、研修を受けている3日間も、しっかりとお給料(時給や日給)が発生します。 会社によっては、研修が終わった最終日にその場で「研修手当」として現金で支給してくれるところもあります。

具体的にどんなことをするの?(研修の中身)

「3日間も何をするの?」と身構えてしまうかもしれませんが、やることは大きく分けて「座学(座って勉強)」「実技(体を動かす練習)」の2つだけです。

1. 座学(座って教科書を読む)

  • 警備業法の基本: 警備員がやっていいこと、ダメなこと(警察官ではないので、逮捕権などの特別な権限はありません)を学びます。
  • 事故が起きたときの対応: 現場で倒れている人を見つけたときの救急講習(AEDの使い方や心臓マッサージ)などを学びます。

2. 実技(体を動かす練習)

  • 基本動作(きほんどうさ): 「気をつけ」「右向け右」「礼」など、制服を着たときの美しい姿勢や動きの練習です。
  • 旗や誘導灯の振り方: 交通誘導の現場で、車を「止まれ」「進め」と誘導するための、分かりやすい旗の振り方を体に染み込ませます。

💡 現場のプロからのホンネ 正直に言うと、普段使わない筋肉を使うので、3日目の夕方には少し足腰が筋肉痛になるかもしれません(笑)。でも、スポーツのような激しい運動ではないので、運動が苦手な方やシニアの方でも全く問題なくついていけますよ。

【Q&A】テストはある?落ちたらどうなるの?

ここで、未経験の方が一番怖がる質問にお答えします。

Q. 研修の最後にテストはありますか?落ちたらクビ? A. テスト(理解度チェック)を実施する会社もありますが、落ちてクビになることは100%ありません!

新任教育の目的は、新人を「ふるい落とすこと」ではなく、「全員をプロとして現場に送り出すこと」です。 もしテストで間違えてしまった部分があっても、指導員(研修の先生)が「ここはこうだよ」と優しくその場で教えてくれます。真面目に座って話を聞いていれば、誰でも確実に合格できるので、学校の試験のように緊張する必要は一切ありません!

まとめ:最初の3日間は「プロになるための準備期間」

私が18歳で初めて警備の制服に袖を通したとき、この新任教育を受けながら「思ったより覚えることが多くて大変だな……」と少し緊張したのを覚えています。

でも、この最初の3日間で「正しい知識」をしっかり教わったからこそ、4日目に初めて現場に立ったとき、怖がらずに自信を持って立てました。

新任教育は、あなたを困らせるためのものではありません。現場であなた自身と、周りの人の安全を守るための「盾」を配ってくれる時間です。

これから警備員を始める方は、ぜひリラックスして、お給料をもらいながらプロの基礎を学んできてくださいね。応援しています!

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