警備会社に入社して、最初の研修(新任教育)を終えれば無事にデビューとなりますが、警備員の勉強はそこで終わりではありません。
警備員として働き続ける中で、**「年度で必ず受けなければならない研修」があります。これが、「現任教育(げんにんにょういく)」**です。
「えっ、せっかく仕事を覚えたのに、毎年また研修を受けるの?」 「現場を休んでまで、一体何をするんだろう……」
今回は、18歳から現場で叩き上げてきたプロの視点から、現任教育の「時間数」「中身」「なぜ毎年やるのか」の理由を、未経験の方にも分かりやすく丁寧に解説します!
そもそも「現任教育」ってなに?なぜ毎年やるの?
現任教育とは、一言でいうと**「現役警備員のための定期的なレベルアップ研修」**です。これも新任教育と同じく、警備業法という法律で義務づけられています。
なぜ、すでにバリバリ働いているベテラン隊員まで集めて毎年研修を行うのでしょうか?理由は主に3つあります。
- 法律の変更(法改正)を勉強するため 実は、警備員に関わる法律やルールは時代に合わせて少しずつ変わっています。古い知識のまま現場で動いていると、うっかり法律違反をしてしまうリスクがあるため、最新のルールを全員でアップデートします。
- 自己流になった「悪いクセ」を直すため 毎日現場に出ていると、どうしても誘導灯の振り方や姿勢が自己流になって楽な方に流れてしまいがちです。事故を起こさないよう、正しい基本動作をもう一度おさらいします。
- 熱中症や冬の防寒など、季節ごとの安全対策のため 夏前なら熱中症対策、冬前なら防寒や凍結対策など、その時期の現場で命を守るための具体的なノウハウを共有します。
- インシデントなど日々の指導でよくないと思う事を全員に周知します。
研修は何時間やるの?お給料やタイミングは?
実務的な「時間」と「お金」の仕組みについて解説します。
① 研修の時間は「年度で合計10時間以上」
現在の法律では、現役の警備員は**「年度毎に合計10時間以上」**の研修を受けることと決まっています。 内訳は、警備員としての心構えなどを学ぶ「基本教育(4時間以上)」と、それぞれの専門現場のスキルを学ぶ「業務別教育(6時間以上)」のセットです。
※重要 この時間数の配分までは法律によって指示されていませんので、基本教育1時間、業務別9時間でも問題ありません、
多くの会社では、**「春に5時間、秋に5時間」と2回に分けたり、土曜日などを丸1日使って「1回で10時間」**を一気に受けたりするスケジュールを組んでいます。
② もちろん、研修中もお給料は100%支給!
現場をお休みして研修に参加することになりますが、この時間はしっかり「会社の指示で動いている仕事の時間」です。そのため、研修を受けている時間も、普段通りのお給料(時給や日給)が全額もらえます。
逆にお給料が払われていないとなると勤務実績が無いことになります。よって、教育をしましたという根拠である勤務実績が出せないわけです。ちゃんと教育をしていたとしても必ず突っ込まれます。
具体的にどんなことをするの?(研修の中身)
現任教育の内容は、普段みなさんが行っている警備の「種類」によって変わりますが、基本は「座学」と「実技」の組み合わせです。
1. 座学(みんなで勉強会)
- 最近の事故事例の共有: 「他の現場でこんな事故が起きてしまった。うちの営業所ではどう防ぐか?」というリアルな教訓を話し合います。
- 救急処置の復習: AEDの使い方や熱中症の処置方法など、いざという時の人命救助をおさらいします。
2. 実技(現場を再現した練習)
- 誘導のシミュレーション: 広い敷地や車庫を使って、実際に車や歩行者役を配置し、「このタイミングでどう声をかけるか、どう旗を振るか」を本番さながらに練習します。
- 護身術の練習: 万が一、現場で不審者に襲われそうになった時の身の守り方や、警察への正しい通報の仕方を訓練します。
💡 現場のプロからのホンネ 現任教育のもう一つの良いところは、**「普段は別々の現場にいて、滅多に会えない同僚たちと顔を合わせられること」**です。休憩時間に「あっちの現場はどう?」と情報交換をしたり、悩みを相談し合ったりする良いコミュニケーションの場にもなっています。
まとめ:現任教育は、あなたと現場を守る「定期車検」
私が18歳で警備業界に入り、初めて現任教育の案内を会社から受け取ったときは、「休みが潰れて面倒だな……」と最初は思っていました。しかし、毎年しっかり研修を受け、ベテランの先輩たちのヒヤリハット(事故になりかけたヒヤッとした体験)を聞くうちに、「もしあの知識がなかったら、現場で大事故を起こしていたかもしれない」とゾッとしたことがあります。
現任教育は、車でいう**「定期車検」**のようなものです。 どんなに優秀な警備員でも、毎日走っていれば少しずつ部品が緩んだり、知識が錆びついたりします。年に1回、しっかりメンテナンスをして、また安全に現場へ戻るための大切な時間です。
これから警備員になる方も、現役の隊員さんも、ぜひ「お給料をもらいながら、安全のプロとしての腕を磨く日」として、前向きに現任教育を活用してくださいね!



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