【警備会社の管制あるある】「若い奴をよこせ」元請けの無理難題をかわす交渉術と人手不足の打開策

教育

​「明日の現場、ダンプの出入りが激しいから、20代〜30代の動ける若い奴にしてね!」

「いつもの〇〇君指名でお願い。高齢の隊員さんだとちょっと心配だから……」

​夕方、元請け(建設会社やハウスメーカー)の現場監督から入るこの一本の電話。

実はよくあります。

電話を切った後、管制デスクで配置表を見つめながら**「若い隊員なんてどこにも残っていない……全員シニア層だ」**と絶望し、血の気が引く思いをした経験はありませんか?

​少子高齢化が進む警備業界において、隊員の平均年齢は上昇の一途を辿っています。しかし、元請けは依然として「若手・体力のある隊員」を求めてきます。

​「シニア隊員を配置すればクレームになり、配置を断れば現場を切られる可能性がある」という板挟みの恐怖。

​今回は、現場叩き上げの視点から、**元請けからの無茶な指名を上手に交わす「管制の交渉術」と、高齢化社会を乗り切る「現実的な防衛策」**を徹底解説します!

​1. なぜ元請けは「若い隊員」にこだわるのか?

​元請けの心理を知らなければ、上手な交渉はできません。現場監督が「若い隊員」を欲しがる理由は、実は「年齢そのもの」ではなく、以下の3つの不安にあります。

  1. 誘導のレスポンス(俊敏性)への不安 大型車や重機が頻繁に行き交う現場では、判断の遅れや動作の鈍さが即事故に直然と繋がります。「高齢=動きが遅い」という先入観から、安全面での不安を抱いています。
  2. 熱中症や体調不良で倒れるリスクの回避 炎天下や極寒の現場で、シニア隊員が倒れて救急搬送されると、現場作業自体がストップしてしまいます。
  3. 近隣住民・通行人への「見た目・印象」 近隣からのクレームが多い現場では、シャキッとした姿勢でハキハキと案内できる隊員を配置し、現場全体の好印象を保ちたいと考えています。

​つまり、元請けが本当に求めているのは「年齢の若さ」ではなく、**「テキパキ動き、ハキハキ喋り、事故を起こさない安心感」**なのです。

特に!事故を起こさない、倒れないことが一番求められている事です。

​2. クレームを回避する!元請けへの「神交渉」3つのテクニック

​若い隊員が物理的にいない以上、根性論で解決することはできません。管制担当者が電話口で使える具体的な言い換え・交渉フレーズです。

​テクニック①:年齢ではなく「経験値(プロ感)」を売る

​「若手はいません」と突っぱねるのではなく、シニア隊員の持つ**「熟練の技」**をアピールして元請けを安心させます。

これは営業上手な警備営業マンは絶対に使っている感覚です。

  • NG対応:「あ〜、うち若い子いないんですよね。ベテランの〇〇さん(70代)でもいいですか?」
  • 神対応:「監督、ご安心ください。若い子よりも誘導の呼吸を知り尽くしている**『現場経験10年の大ベテラン』**を配置します。ダンプの車幅感覚や見通しの悪い交差点の捌き方は、うちの営業所でもトップクラスですので!」

​テクニック②:「事前レクチャー済み」を伝えて不安を消す

​現場監督が最も嫌うのは「指示を聞かない・動かない隊員」が来ることです。派遣前に会社としてしっかり教育・指示を出している姿勢を伝えます。

配置する現場の事をしっかり教育しておく。

  • 神対応:「明日配置する〇〇には、事前に『明日から大型の出入りが激しくなるから、周囲の安全確認とハキハキした声掛けを徹底するように』と管制から直接釘を刺して送り出します。もし気になるところがあればすぐ私(管制)までお電話ください!」

​テクニック③:危険現場には「有資格者」を盾にする

​交通量が極めて多い危険な現場や難関現場の場合、単なる若手ではなく「検定保持者」をアピールして納得させます。

  • 神対応:「明日の現場は交通量がかなり多いので、若手よりも**『交通誘導2級の有資格者』**を優先して手配しました。法令と安全基準に則った誘導をさせます!」

​3. シニア隊員でも元請けが大満足する「会社側のフォロー体制」

​どれだけ言葉で交渉しても、実際の現場で隊員がモタモタしていては一発でクレームになります。シニア隊員を「優秀な戦力」に変える社内フォロー策です。

​対策①:装備と身だしなみで「見た目年齢」を10歳下げる

​元請けが「高齢だからダメだ」と感じる瞬間の多くは、**「よれよれの制服・猫背・ボソボソ喋る」**姿を見た時です。

  • ​制服のサイズを合わせ、プレスされた綺麗な衣服を着用させる
  • ​白手袋や誘導灯、ヘルメットの汚れをチェックする
  • ​「おはようございます!」の大きな挨拶を徹底させる 見た目の清潔感と元気な挨拶だけで、元請けの印象の8割はクリアできます。

​対策②:シニア隊員の「得意・不得意」を可視化するデータベース化

​一口にシニア層と言っても、「元気で動ける70代」もいれば「立ち仕事が限界の60代」もいます。

管制デスクで隊員ごとの**「得意現場・体力レベル・接客スキル」を数値化・リスト化**しておきます。

  • ​「ダンプ頻繁現場=Aランク(動けるシニア・元トラック運転手など)」
  • ​「片側交互通行=Bランク」
  • ​「出入り口固定・建築現場=Cランク」 ミスマッチな配置を未然に防ぐ仕組みを作ることが、クレーム防止の鉄則です。

​対策③:元請けとの「現場平準化」の事前交渉

​営業担当者は、契約段階から元請けに対して**「すべての現場に若手を配置することは不可能である」という業界の現状を誠実に伝えておく必要があります。

「キツい現場には優先して動きの良い隊員を入れますので、比較的静かな現場にはベテラン隊員を配置させてください」というメリハリのある配置の合意(トレードオフ)**を日頃から築いておきましょう。

​まとめ:「若手=優秀」ではない!会社の教育とサポートで勝負する

​元請けから「若い奴をよこせ」と言われると、つい現場を失う恐怖からペコペコ謝ってしまいがちです。

​しかし、警備業界の本当の強みは、年齢に関係なく**「どれだけ真面目に、安全に、誠実に現場を守れるか」**にあります。若手であっても挨拶ができず遅刻を繰り返す隊員より、70代であっても元気で誠実、近隣への配慮ができるベテラン隊員の方が、最終的に元請けから感謝されるケースは山ほどあります。

​管制・営業担当者の役割は、単なるコマの配置ではありません。**「自社の隊員の強みを把握し、元請けの不安を消し、現場を円滑に回すプロデューサー」**です。

​無理な指名には毅然かつスマートに対応し、シニア隊員が輝ける現場作りを進めていきましょう!

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