指導教育責任者の皆様、毎日の契約管理、本当にお疲れ様です。
警察署の生活安全課による立ち入り検査において、確認する「契約先一覧表(法定帳簿)」について説明します。
特に施設警備などの「1号警備」は契約期間が長いため、生安課はここを起点にして、警備業法第19条で義務付けられている「契約締結前後の書面」や「実際の契約書(原本)」をすべて引っ張り出し、一網打尽にチェックしてきます。
狙いは一つ、「書類上の日付や人数に、法律上の辻褄が合わない『嘘や遅れ』がないか」をクロスチェック(突合)するためです。
契約先一覧表に必ず書くべき必須項目と記入例契約先一覧表には、警備業法第45(施行規則第66条)に基づき、以下の項目を遅滞なく正確に網羅する必要があります。【記入例フォーマット(施設警備の場合)】
契約者の氏名・名称 株式会社○○商事
警備業務の期間 2026年4月1日~2027年3月31日
警備業務の内容 常駐施設警備
実施場所 東京都○○区○○1-2-3(○○ビル)
従事する警備員の数 常時2名(日勤1名・夜勤1名)
※契約が自動更新の場合でも、一覧表の期間欄は「自動更新により更新中(現在の期間:〇年〇月〇日~〇年〇月〇日)」と、直近の正確なタイムラインが分かるように書いておくと丁寧です。
契約先一覧表と一緒に絶対確認される「業法19条書面」について、検査官は「この物件の『契約書』と『19条の書面(前・後)』を見せてください」。と言います。
警備業法第19条では、契約時に以下の2つの書面を顧客に交付することが義務付けられています。
契約締結前書面は 契約が成立する前に交付
契約締結後書面は 契約が成立した後、遅滞なく交付(※契約書と兼ねる場合が多い)
ここで100%突っ込まれる致命的な落とし穴が、日付と署名の有無です。
【ダメな例】契約先一覧表の契約開始日:4月1日、契約締結後書面(契約書)の日付:4月1日、契約締結前書面の日付:4月5日 👈 一発アウト!
契約がスタートしている、あるいは契約書を交わした後に「事前説明(締結前書面)」の日付があるのは、法律上絶対にあり得ません。
検査官は、【締結前書面の日付】<【契約書(締結後)の日付】≦【一覧表の開始日】 という時間の流れが1日でも逆転していないかを、チェックしているのです。
さらに、リスクとして、
① 「スポット(短期)契約」の19条書面漏れ1日〜数日間だけの展示会イベントや、工事に伴う短期の施設警戒など、スポットの1号業務は一覧表への載せ忘れが多いだけでなく、「短い現場だから」と19条書面(重説)の作成・交付を省略してしまう致命的なミスが多発します。期間の長短に関わらず、警備契約を結ぶ以上は19条書面の交付は「絶対義務」です。ここを怠ると、業法違反として行政処分の対象になります。
② 有資格者の配置義務との連動です。空港警備や特定施設(大規模施設など)では、施設警備業務検定などの有資格者の配置が法律で義務付けられています。検査官は、契約先一覧表の「場所・内容」を見てアタリをつけ、19条書面(契約書)に「有資格者を配置する」と明記されているかを確認し、そのまま当日の「配置簿」と突き合わせます。ここで有資格者がいなければ、配置基準違反が即座に発覚します。
契約書などの確認する書類をもたついて提示しているようでは管理できているのかなと疑われます。疑われるということはさらに他の内容も付いてくる可能性があります。しっかりと書類は揃えて管理しておきましょう。
まとめ:契約先一覧表と19条書面は、別々の書類ではなく「一つの繋がった鎖」です。18歳でこの業界に入った頃、私は「現場さえ回っていれば、書類の日付なんてどうでもいい」と思っていました。しかし、日付が1日ズレているだけで、ダメなことであるリスクを知った今、書類の恐ろしさを痛感しています。今一度、あなたの目の前にある「契約先一覧表」と「19条書面」の日付を突き合わせてみてください。すべてのタイムラインが美しく過去から未来へ流れているとき、あなたの営業所の書類は、生安課の立ち入り検査を無傷で跳ね返す「最強の盾」となります。


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