これは「教育計画書」の後に作成する、新任教育や現任教育を「実際に何日の何時から何時まで、誰に対して、どんな内容で行ったか」を証明するための法定書類です。
「教育実施簿」でしっかりと計画しないと全てがうまくいかない?
指導教育責任者の皆様、現任教育のシーズンや新任の研修対応、本当にお疲れ様です。
警察署の生活安全課による立ち入り検査で、時間をかけて、電卓を叩きながらチェックする書類。それが**「警備員教育実施簿」**です。
警備業法第45条(施行規則第66条)に基づき、営業所への備え付けが義務付けられているこの書類は、いわば**「教育の通信簿(実績レポ)」**です。
なぜここが執拗に狙われるかというと、「書類を適当に偽造して、実際には教育をやっていない会社(ゴースト教育)」や「法律で定められた時間に足りていない会社」をあぶり出すのに、最もボロが出やすい書類だからです。
実施簿の数字や日付に1分のズレがあるだけで、営業所全体の書類の信用は一瞬で崩壊します。
警備員教育実施簿に必ず書くべき必須項目と記入例
教育実施簿は、教育を実施する前にしっかりと計画を立てて作成しなければなりません。教育実施簿を作成した時点で法定時間数に達していなければ、教育懈怠として指導をくらいます。Excel等で管理する際の必須項目と記入例は以下の通りです。
【教育実施簿のフォーマット・記入例(現任教育の場合)
1.教育を実施した年月日・時間
2026年5月20日 09:00〜16:00(うち休憩1時間、合計6時間)
2.教育を実施した場所
本社 3階会議室
3.教育を行った者(指導員)の氏名
指導教育責任者 〇〇 〇〇(※指導したものの氏名)
4.教育を受けた警備員の氏名
警備太郎、安全次郎、防犯三郎(※受講者全員の氏名)
5.教育の具体的な内容と時間数
【基本教育】2時間
・警備業法に定める警備員の資質について(1時間)
・敬礼、回れ右等の基本動作の実技(1時間)
【業務別教育】4時間
・車両、歩行者の適切な誘導方法(2時間)
・無線機、大旗等の資機材の取扱(2時間)
現場で叩き上げたプロが警告する「教育実施簿の3大落とし穴」
指教責が最も高確率で生安課に突っ込まれる、実務上の致命的なリスクを3つ共有します。
① 「休憩時間」を引き忘れる計算ミス(生安課は電卓を叩く)
一番多いイージーミスです。例えば「9:00〜17:00」で教育をやった場合、拘束時間は8時間ですが、お昼休憩が1時間あるはずです。
実施簿に「合計8時間」と書いてしまうと、検査官から**「お昼ご飯食べてる間も教育してたの? 休憩を引いたら7時間でしょ。1時間水増ししてるよね?」**と突っ込まれます。必ず「実質何時間講義をしたか」の純粋な教育時間を計算して書いてください。
② 配置簿(現場の記録)との「日付の重複」
「5月20日に現任教育を6時間受けた」と実施簿にある隊員が、**同じ日の同じ時間に「現場で警備をしていた」という配置簿の記録になっていたら一発アウト(書類偽造または無教育配置)**です。
生安課は、ランダムに選んだ隊員の「実施簿」と「現場の配置簿」を必ずクロスチェックしてきます。教育の日は現場のシフトを完全にオフにするか、夜勤明けの時間を正確に計算してズラさなければなりません。
③ 保存期間は「当該教育期が修了した日から2年間」
教育計画書と同じく、教育実施簿も**「その教育期間(期・年度)が終了した日から2年間」**の保存義務があります。
「全員分の教育が終わったから」と、その年の途中でファイルを雑に扱ってはいけません。年度ごとにまとめ、過去2年分を即座に提出できるよう鍵付き書庫に保管してください。
監査を早く終わらせる裏技:「座学の写真」と「カリキュラム表」を合体させておく
立ち入り検査に来る検査官は、「文字だけならいくらでも書ける。本当に全員集めて講義をやったのか?」という疑いを持っています。
監査を爆速で終わらせるハックは、実施簿の裏に、「ホワイトボードの前に立つ講師」と「真剣に聞く隊員たちの後ろ姿」が写った写真を1枚印刷し、さらに当日配った「レジュメ(時間割)」と一緒にホチキス留めしておくことです。
これを見た検査官は、**「あ、本当にこの日に、このメンバーを集めて、このカリキュラムでやったんだな」**と瞬時に理解します。視覚的な証拠が揃っている書類に対して、検査官がそれ以上細かく突っ込んでくることはまずありません。
まとめ:実施簿は、あなたの教育の「血と汗の結晶」
私が18歳で警備業界に入り、初めて現任教育を後ろの席で受けていた頃は、「会社はなんでこんな面倒な講義をわざわざやるんだろう」と思っていました。しかし自分が指教責になり、この実施簿という書類の重み、そして「これがないと隊員を現場に出せない」という法的な責任を知ったとき、書類への見方が180度変わりました。
教育実施簿は、ただ生安課の検査をクリアするための紙切れではありません。あなたが隊員たちに向き合い、プロの警備員として育て上げた「血と汗の結晶」であり、会社が適正に運営されていることを示す最強の盾です。
ぜひ、次回の教育が終わったら、記憶が鮮明なうちに、数字1分の狂いもない美しい「実施簿」を完成させてみてください。



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