指導計画書とセットで命を吹き込む「指導実施簿」の重要性
指導教育責任者の皆様、毎日の現場パトロールと書類作成、本当にお疲れ様です。
事前に作成する「警備員指導計画書」に続いて、実際に現場で指導を行ったあとに必ず作成しなければならないのが**「警備員指導実施簿(または指導記録簿)」**です。
警備業法第45条(施行規則第66条)に基づき、営業所への備え付けが義務付けられているわけではありません。
しかし、この書類は、いわば**「実地指導の報告書」**です。証明する証となりますので、立入検査では必ず確認されます。
生安課の立ち入り検査の際、検査官は「指導計画書」とこの「指導実施簿」を2枚並べて、**「日付、場所、指導員、対象の隊員が完全に一致しているか」**を1マスずつ指差し確認してきます。
ここがズレていると「計画だけで、実際には指導に行っていないな」と書類の信憑性を一疑われ、監査の難易度が跳ね上がります。今回は、一発で生安課が納得する実施簿の書き方と、実務の落とし穴を解説します。
警備員指導実施簿に必ず書くべき必須項目と記入例
指導実施簿は、指導を終えたら**「遅滞なく(記憶が新しいうちに)」**作成します。Excelなどで作成する際の必須項目と記入例は以下の通りです。
【指導実施簿のフォーマット・記入例】
項目記載内容の例
1、指導を実施した年月日・時間 2026年7月15日 10:00〜12:00(※計画書と同じ日時)
2、指導を実施した場所(現場名) 〇〇ビル新築工事 交通誘導現場(※計画書と同じ場所)
3、指導を行った者の氏名 指導教育責任者 〇〇 〇〇(※現場の隊長がやった場合はその氏名)
4、指導を受けた警備員の氏名 警備太郎、安全次郎、防犯三郎
5、指導の具体的内容
大旗・誘導灯の保持角度、および歩行者への丁寧な声かけを実地指導。警備太郎は明確な合図ができていたが、安全次郎にやや合図の遅れが見られたため、その場で立ち位置を修正し再指導。改善を確認した。
指導実施簿の落とし穴
多くの営業所で生安課にツッコミを入れられる、実務上のリアルな盲点を3つ共有します。
① 内容が「計画書のコピペ」になっている罠
一番やってしまいがちなのが、計画書に書いた「指導内容」の文章を、そのまま実施簿にコピペして終わりにするケースです。
検査官はプロなので、**「内容が全く同じだけど、本当に現場で指導したの? 太郎君や次郎君は、具体的に何ができていて、何がダメだったの?」**と突っ込んできます。実施簿には必ず、現場で見た「リアルな隊員の様子や結果」を一言添えてください。
② 所属隊員全員を「同じ日」に指導したことにする無理筋
営業所に50人の隊員がいるとして、指導実施簿の指導日をすべて「7月15日」の1日にまとめて、50人全員分を処理しようとする会社があります。
検査官から**「指教責のあなた、1日で全現場を回って50人全員を実地指導したの? 体がいくつあっても足りないよね?」**と詰められます。現場ごとに日を分けるか、ベテラン隊長を指導員に選任して手分けして実施した記録にしなければ、実態がないとみなされます。
③ 保存期間は「実施した日から2年間」
指導計画書と同様に、指導実施簿も**「実地に指導した日から2年間」**の保存しておきましょう。
「実施簿だけ別のバインダーに入れていて、1年分紛失した」というのは完全にアウトです。必ず「計画書」と「実施簿(+できれば指導中の写真)」をホチキスやクリップで1セットにして、過去2年分を厳重に保管してください。
まとめ:実施簿は、あなたの「頑張りの証明書」
18歳で警備業に入ったばかりの頃、私は「なんで指教責は現場に来て、わざわざノートに何かメモしてるんだろう」と思っていました。それがこの「指導実施簿」の仕込みだったわけです。
指導実施簿は、ただ法律をクリアするためだけの書類ではありません。
万が一、現場で隊員が第3者とトラブルを起こしたり事故を起こしたりした時に、**「会社としては、指導計画書に基づいて、〇月〇日にこれだけ真面目に実地指導を行っていました」と、会社とあなた自身を守るための「最強の証拠」**になります。
めんどくさい書類仕事に見えますが、これこそが指教責のプロとしての背中。
今月のパトロールが終わったら、隊員の顔を思い浮かべながら、血の通った実施簿を1枚仕上げてみましょう!



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