退職警備員名簿

備付書類

​辞めたら終わりではない!「退職警備員名簿」の重要な役割

​指導教育責任者、あるいは労務管理担当の皆様、毎日の隊員の入れ替わりや手続き対応、本当にお疲れ様です。

警備会社において、隊員の入社時に「警備員名簿」を作成するのは当然の義務ですが、**隊員が退職した、あるいは内勤への異動などで警備業務から外れたあとに必ず作成・管理しなければならないのが「退職警備員名簿」**です。

​警備業法第45条(施行規則第66条)に基づき、営業所への備え付けが義務付けられているこの書類。

​「もう会社にいない人間の書類だから、適当に段ボールに詰めて倉庫に眠らせている」という状態は非常に危険です。

生安課の立ち入り検査(監査)では、直近の配置簿(現場の記録)を見ながら、**「この〇〇さんはもう現場に入っていないようだけど、退職名簿への移し替えと法定保存は正しく行われているか?」**と、ピンポイントで提出を求められることがあります。

退職警備員名簿に必ず載せるべき必須項目と記入例

​退職警備員名簿は、基本的には現役時の「警備員名簿」の情報に加え、**「退職した年月日」と「退職の理由」**を明確に記載して一覧化します。

​【退職警備員名簿のフォーマット・記入例】

項目記載内容の例
元警備員の氏名・生年月日安全 拓也 (1995年8月15日生)
本籍地東京都
住所・連絡先東京都中央区日本橋1-1-2
090-XXXX-XXXX
採用年月日2024年4月1日
従事していた警備業務の区分第2号警備業務(交通誘導・雑踏)
【最重要】退職年月日2026年6月20日
【最重要】退職の理由自己都合による退職(または 他職種への配置転換)

※「退職の理由」は、基本的には「自己都合」「会社都合」「契約満了」などの一般的な労務表記で問題ありません。

※退職だけでなく、**「警備員としては辞めて、明日から本社の一般事務(内勤)になる」**という場合も、警備業務からは外れるため、この退職警備員名簿に記載して管理を切り替える必要があります。

​18歳から現場で叩き上げたプロが警告する「退職名簿の3大落とし穴」

​生安課の立ち入り検査の際、多くの指教責が勘違いしているリアルな罠を3つ共有します。

​① 【超重要】保存期間は「1年間」!労働基準法との二重管理の罠

​実務上で最も混同しやすいのが、この書類の保管期間です。

一般的な労働基準法における「労働者名簿」や「退職届」などは、退職から3年〜5年の保管義務がありますが、**警備業法(施行規則第66条第1項)で定められている「退職警備員名簿」の法定保存期間は『1年間』**です。

​ここで注意すべきは、「警備業法では1年だから」と、退職者の履歴書や契約書などの労務書類まで丸ごと1年でシュレッダーにかけてしまうと、今度は労働基準法違反(またはその他の税法違反など)でアウトになります。

**「警備業法のファイル(退職警備員名簿)からは1年で外してOKだが、会社の労務書類としては別途3〜5年保管する」**という二重管理の意識を持ってください。

​② 現役名簿と退職名簿の「隔離」ができていない

​「辞めたけれど、また戻ってくるかもしれないから」と、現役隊員のバインダーの中に退職者の名簿をそのまま挟みっぱなしにしていませんか?

検査官から「今、この営業所で動かせる隊員は何人いるの?」と聞かれた際、現役と退職者がごちゃ混ぜになっていると、「稼働実態を正確に把握していない」とみなされます。退職が確定した時点で、名簿は即座に「退職者専用バインダー」へ移し替えてください。

​③ 退職後の「苦情」や「トラブル」への備えを怠る

​生安課がなぜわざわざ退職者の名簿をチェックするかというと、**「退職した元隊員が、在籍中に現場で起こした不祥事や事故、または退職後のトラブル」**が発生した際、警察がその人間の在籍期間や当時の区分を正確に特定する必要があるからです。

「辞めた人間だから関係ない」ではなく、万が一の時に会社を守る最初の防衛線として、最低でも法律で定められた「1年間」は現役時と同じレベルで正確な情報を即座に出せるようにしておく必要があります。

​究極は「退職届のコピー」を名簿の裏に合体させておくがいいが、そこまではしなくてもよい

​立ち入り検査に来る検査官は、退職名簿の日付を見て「本当にこの日に辞めたのか? 実際にはもっと前にバックくれたんじゃないか?(または隠れて籍を残しているのではないか)」という実態のズレを疑ってきます。

​監査を爆速で終わらせるハックは、退職警備員名簿のすぐ裏に、本人が提出した「退職届(コピー)」や「離職票の控えのコピー」を一緒にクリップで留めておくことです。

​これを見た検査官は、公的な労務手続きの日付と名簿の日付が1日の狂いもなく完全一致しているのを確認し、**「あぁ、この営業所は人事管理が完璧だな」**とそれ以上の追及を諦めます。労務と警備業法をガッチリ連動させて見せるのが、監査を最短で終わらせるプロのテクニックです。

実際はそこまでする人は聞いたことがありません。

​まとめ:退職名簿は、会社の歴史とコンプライアンスの証

​私が18歳で警備業界に入ったばかりの頃は、仲の良かった先輩が辞めていくのを見送りながら、「辞めた人の書類なんて、会社はすぐに捨てちゃうんだろうな」と漠然と思っていました。しかし自分が指教責になり、管理する側の重責を知った今、去っていった人たちの記録を正しく見守ることもまた、会社を守るための重要な職務だと痛感しています。

​退職警備員名簿は、ただの「過去の遺物」ではありません。

会社がこれまで適切な雇用を維持してきたという歴史の証明であり、生安課からの信頼を勝ち取るための最後のピースです。

​ぜひ、直近で退職された隊員の情報を見直し、1年間のタイマーが正しくセットされた美しい「退職名簿ファイル」を完成させてみてください!

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