教育計画書

備付書類

「警備員教育計画」は指導教育責任者(指教責)が作成する書類の中で、最も「会社の年間スケジュール」を左右する、いわば警備会社の舵取りシートです。

​新任教育や現任教育(基本教育・業務別教育)を、「いつ、何時間、どこで、誰が、どんな内容で行うか」を事前に定めたもので、生安課の立ち入り検査では**「この計画書通りに、本当に教育を実施したのか?」**が最大のチェックポイントになります。

​監査の成否を分ける!「警備員教育計画書」が最重要とされる理由

警備業法第45条(施行規則第66条)に基づき、営業所に必ず備え付けておかなければならないのが**「警備員教育計画書」**です。

​「とりあえず毎年お決まりのスケジュールを書いている」という方は要注意です。

​生安課の立ち入り検査において、検査官は教育実施簿(実績)を見る前に、必ずこの「教育計画書(予定)」を確認します。なぜなら、**「法律で定められた時間数や内容を満たす、正しい教育計画を『事前に』立てていたか」**という、指教責としての職務怠慢がないかを測るリトマス試験紙になるからです。

​計画書に不備がある、あるいは計画書そのものを作っていない場合、その営業所の教育体制はすべて「実態なし」と疑われる致命的な事態を招きます。

​警備員教育計画書に必ず書くべき必須項目と記入例

​教育計画書は、「年度の始まりから30日前まで」**にあらかじめ作成しておく必要があります。Excel等で管理する際の必須項目と記入例は以下の通りです。

​【教育計画書のフォーマット・記入例(現任教育の場合)】

1.対象となる警備員の区分

2.登録されているすべての現任警備員(または〇〇営業所所属員)

3.教育を行う期間(予定)

4.2026年4月1日 〜 2027年3月31日(※前期・後期に分ける場合もあり)

5.教育の区分と時間数

【基本教育】 3時間以上

【業務別教育(2号交通)】 7時間以上 / 合計10時間以上

6.教育を実施する場所

本社 3階会議室、および〇〇研修センター

7.教育を行う者(指導員)の氏名

指指導教育責任者 〇〇 〇〇(または選任された指導員)

8.具体的な教育項目(カリキュラム)

【基本教育】 警備業法、憲法・刑法、救急蘇生法、敬礼等の基本動作

【業務別教育】 車両・歩行者の誘導方法、資機材の取扱、事故発生時の措置

18歳叩き上げが警告する「教育計画書・3大落とし穴」

​現場が人手不足でバタバタしていると、最も生安課に突っ込まれやすい実務上のリアルな盲点を3つ共有します。

​① 【超重要】法改正による「時間数の変更」についていけてるか?

​これが一番怖いポイントです。ご存知の通り、警備員の現任教育の時間数は、法改正によって「年間10時間以上(基本3時間+業務別7時間)」など、以前に比べて大幅に短縮されました。

もし、大昔の雛形のまま「年間16時間」や「基本8時間」といった古い計画書を今も使い回していると、検査官から「現在の法律を理解していない指教責」として、一発で目を付けられる原因になります。

​② 「計画書」がないのに「実施簿」がある矛盾

​「バタバタしていて年間計画書を作るのを忘れていたけれど、教育自体はちゃんとやって実施簿もあるから大丈夫」…これは通用しません。

前述の通り、これは「計画書」です。教育を行った日よりも前の日付(通常は年度初めなど)で、事前に承認・作成された書類でなければなりません。日付の順序が逆転していないか、必ず作成日を確認してください。

​③ 保存期間は「当該教育期が修了した日から2年間」

​教育計画書の法定保存期間は、**「その教育期間が終了した日から2年間」**です。

例えば、2026年度(2026年4月〜2027年3月)の計画書であれば、期間が終了する2027年3月末から数えて2年間、つまり2029年3月末まで保管する義務があります。「終わった期のものだから」と、年度末にすぐシュレッダーにかけてしまわないよう注意してください。

​監査を早く終わらせる裏技:計画書の裏に「年間カレンダー」を挟む

​立ち入り検査に来る検査官は、計画書を見て「本当にこの通りにスケジュールを確保して開催できるのか?」という実現可能性を疑ってきます。

​監査を爆速で終わらせるハックは、計画書を作成する段階で、教育予定日にマーカーを引いた「社内年間カレンダー」や「会議室の予約表のコピー」を後ろにホチキス留めしておくことです。

​検査官が書類をめくった際、ただの文章だけでなく、実際に会社として「この日の土曜日に現任教育をやるために、現場の配置を止めて場所を確保している」という物理的な証拠(エビデンス)が見えると、**「ここまで緻密に計画を組んでいるなら、実態もしっかりしているだろう」**と判断し、その後の教育関係のチェックが非常にスムーズ(形だけ)になります。

​まとめ:教育計画書は、営業所を守る「グランドデザイン」

​18歳で警備業界に入り、初めて現任教育を後ろの席で受けていた頃、私は「なんで毎年同じような講義を聞かされるんだろう」と思っていました。しかし自分が指教責になり、この1枚の計画書を組み立てる側の責任を知ったとき、教育がいかに会社の安全と隊員の命を守る砦であるかを理解しました。

​教育計画書は、ただ生安課の検査をすり抜けるためのペーパーワークではありません。あなたの営業所の隊員の質を保ち、大きな事故を未然に防ぐための「グランドデザイン(全体構想)」です。

​ぜひ、新年度のスタートや新しい期の切り替わりに合わせ、現行の法律に完全に準拠した、美しい「教育計画書」をデスクで完成させてみてください。

\ 最新情報をチェック /

コメント

PAGE TOP
タイトルとURLをコピーしました